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ハワイの伝説

ハワイにも神話や伝説がたくさんあります。
また、自然崇拝の根ざしたハワイではたくさんの神がいます。
昔の日本にも八百万(やおろず)の神がいろいろな形であがめられていたのです。
日本の神話にも共通するような創世神話やハワイの神について語り伝えられている
話しをできるだけ忠実に集めてみました。

『クムリポ』カラカウア王が集めて整理した創世神話。

時の始まりからしばらくは闇の時期があり、
その間にさまざまな植物や動物が生まれた。
父なる天はワケアと呼ばれ、母なる地はパパと呼ばれた。

彼らが最初に産んだ子はハロアと名付けられたが、
この子は未熟なままに生まれたため手足がなかった。
父なる天と母なる地は悲しみのうちにこの子を地面に埋めた。
その身体からタロ芋が生まれた。
次ぎの子はちゃんと月満ちて生まれ、人間の祖先となった。

最初の男であるクムリポと最初の女であるポエレもこの時に生まれた。
やがて世界は明るくなり神々が地上に降りてきた。
父なる天ワケアと母なる地パパが『みとのまぐわい』をして
ハワイイ島が生まれ、ついでマウイ島とカホオラヴェ島が生まれた。

この三度の出産に疲れたパパはタヒチ島で身体を休めることにした。
一人の残されたワケアはカウラという女性に
ラナイ島を生ませ、ヒナという女性にはモロカイ島を生ませた。

風の便りにそれを聞き伝えたパパは
急いでタヒチ島から戻り、ルアという若い元気な神と一緒になりオアフ島を生んだ。
そこでようやくワヒアとパパはよりを戻し、
元のさやに納まりカウアイ島、ニイハウ島と
小さく無人のカウラ島とニホア島を生んだ。
    (ハワイイ紀行池澤夏樹著新潮社より)

ここまで読んで不思議に感じませんでしたか?
まるで日本の神話、イザナギとイザナミの話しにそっくりです。
最初の子供のハロアは日本の神話ではヒルコのことですね。

実際の島の成り立ちはハワイ島が一番最後に出来て、
その西の海底にはロイヒ(のっぽ)と呼ばれるあたらしい隆起がみられるそうですが・・・。

これはやはり一説によると東南アジアから太平洋にひろまった
祖先ラピュタ人の遠い記憶が環太平洋の東の端に位置する
日本も含めてポリネシアの人々に語り継がれた証拠なのでしょう。

また、最初の男と女の話は聖書のアダムとイブのようですね。
このあたりはキリスト教の影響なのか、自然の発想なのかはわかりませんが・・・。
ハワイの四柱の神

父にして太陽、水、その他の生命を支える自然の恵みの体現者であるカネ、
男性的な力の源泉であり戦の神であるク、
平和と農業、豊穣、暗雲、風と雨と海の音と大地の神ロノ、
海と海の風の神であるカナロアの四柱の神の下に
もう少し格下の神や女神、半神がぞろぞろといるそうです。

そしてそれぞれが木や石でつくった彫像として
神殿であるヘイアウに崇められ、拝まれてきたとのこと。


すべての神の頂点にたつカネは70に及ぶ神に分化され、
それぞれ名前を持っているそうです。
カネには男性の意味もありますが、万物の生命を産む神で陽光と水の源。
カネホアラニは天を支配、カネヘキリは雷を起こす。カネは人間の犠牲はとらない。
サトウキビとオヒアレフアはカネが地上に現れるときの姿。


クは男性の力を表す神でかつてクを祀ったヘイアウは一番念をいれてつくられた。
重要な儀式にはクのために犠牲が捧げられたという。
クは28の形を持っていて、クーカイリモクはカメハメハ一族の守護神であるとともに、
土地を奪う神、昇る太陽はクに、沈む日はその妻ヒナにつながるとされ、
古来のハワイアンは森に入り、薬草を摘む時
東と西に向かって祈りを捧げ、摘むことの許しと病気の治癒を請うという。
クの地上での姿はオヒアの木と鷹になるという。


特にいろいろな文献で有名なのが、クック船長の悲劇に通じる
マカヒキ(10月から2月)祭(豊穣との祭り)の主役である大地の神ロノで、

ロノはいつか再び彼らの地に戻ってくるという言い伝えがあり、
ロノ神のシンボルは通常ロノ神にみたてた像を十字にした木の上に据えられており、
横棒からは白い布がさがっていた。
これをマストに白い帆であらわれた船を
ロノの浮かぶ神殿と勘違いした島民は大歓迎したという。

またクックが投錨したケアラケクア湾は偶然にもロノの港とされていた。
本来ロノは平和と豊穣の神であり、風、雨、雨雲、雨音、海の音などの自然現象の神。
マカヒキの季節の守り神でスポーツの神でもあった。

ロノのヘイアウは雨乞いや豊作を祈る神殿で犠牲はなかった。
ロノの地上での姿はククイの木やウアラ(さつまいも)、
カロの葉(タロイモ)、イプ(瓢箪)
また豚の姿をした人(カマプア・ア)や
ハワイの州魚フムフム・ヌクヌク・アプア・アになって自由に海を渡ったとされる。

またカナロアは一方天なるカネから追放された悪と黒魔術の神と呼ばれ、
すべて毒あるものの主で死者の国を支配する者だった。
ハワイアンにとって聖地とされるカホオラウェ島には
カナロアのヘイアウがいくつもあり、いまもその跡が残っているとのこと。
悪というものはもともと宇宙のシステムの一部であり、
単に排除すべきものではなく、正しく制御されるものという概念があった。

また他方ではカネの相棒で海を渡る風の神といわれ、
カネとともに地に泉を湧き出させた。
カナロアはタコの神でもあり、邪悪で臭いのあるタコだったと伝えてもいる。
しかし、呪術師の呪いに苦しむ人を癒す力を持ち、
カネとともにハワイ島の各地を旅して、
乾いた土地があれば泉を湧き起こす神ともいわれている、4番目の神。

その他の神々(半神)

火と火山の女神ペレは恋い多き女神ともいわれ、
理想の住まいをさがして点々としたあげく最後に現在、
住み着いているのが活火山のキラウエアといわれている。

彼女には姉に海の女神ナマカオカハイが、妹には若い乙女で緑の女神ヒイアカがいる。
姉の夫に言い寄ったため、元々おりあいの悪かったナマカオカハイに追い出され、
性格がねじまがったという人もいるらしい。
また兄にカホモアリイという巨大なサメになる半神がいる。

ペレはカウアイ島の若い酋長ロヒアウを見初めたが、
まず彼と暮らす理想の土地を探して島から島を渡り歩く。
そして妹ヒイアカに40日以内にロヒアウを連れて戻るように頼んだ。
ヒイアカはロヒアウを連れにいったが、
他の神々に女神が人間の男に夢中になるとは不届きという理由でジャマをされ、
約束の期限にまにあわなっかた。
それで二人の仲を邪推したペレは怒りの火でふたりを包んだ。
女神のヒイアカは助かったが、この時ロヒアウは死んだという。
またこのロヒアウには妻がいた。
彼女はプウオイナイナというこの妻はマウイのマアラエア出身の
とかげ族の娘だったが、勝手にロヒアウに惚れ込んだくせに
嫉妬に狂ったペレは彼女をふたつに引き裂き、
頭がモロキニ島になりシッポが対岸のマケナになった。

また私がハワイ島で聞いたオヒアレフアの伝説では
やはり人間の男に恋したペレは彼に人間の恋人がいることに嫉妬して、
彼を花にかえてしまった。その花がレフアとか・・・。
ちなみにオヒアレフアを手折ると雨が降るといわれる。
添い遂げられなかった恋人の涙?

ペレは地上に姿を現すときは美しく若い女だったり、
皺々の老婆だったりするが、どちらも嫉妬深いので注意が必要らしい。(?)

怒りやすくとんでもない災厄を人間にもたらす女神なので、
ペレの好むものを捧げて、平穏を願った。
(昔は豚や犬、オヘロの実、いまはオヘロがジンに変わったそうです。)
つまり溶岩流を避けたい人はいまはジンを捧げているそうです。


マウイは自然界のヒーローで空を持ち上げたり、
太陽をひっぱって動きを遅らせ、
夏に日が長くなるようにさせたとか、
島々をつり上げて今の形にしたという伝説の持ち主。
またハワイ島にあるモクオラ島という橋を渡っていける小さな島があるが、
釣り上げ損ねた島。
ちなみにこれは日本の出雲風土記の国引きの神話に酷似している。
またハワイ島の虹の滝(ワイアヌエヌエ)には
マウイの母で月の女神のヒナがすんでいたが、
クナという邪悪な恐竜が彼女を襲ったとき、
マウイはその危機を察してマウイ島からカヌーでかけつけ、
※石にカヌーを止め、助けに行き、クナを退治した。
※これがワイルク河口にある『マウイのカヌー石』の伝説ともなっている。


ハワイイロアはタヒチからやってきた航海者で
はじめてハワイ諸島をみつけたという。


アウマクアは家族や祖先の守り神で死後、
魂がアウマクアとなりそれぞれの動物の形になり、
子孫と交流できると信じられている。

伝   説

モロカイ島にはカラウパパ展望台のそばに
ファリックロック(カレオナナホア=ナナホアのペニス)と
呼ばれる変わった形の岩があり、
女性がこれにふれると子が授かるという伝説がある。


ラナイ島は悪霊が住む島と恐れられていたが、
マウイ島の王の息子で悪戯が過ぎたカウルラアウは
村に生えていたパンの木をひきぬいた罰でラナイ島に追放された。
しかし彼は悪霊を退治して偉大な英雄としてマウイに帰ることができたという伝説がある。


カウアイ島のメネフネは一般にはこびと族といわれ、
ふつうの人の半分の身長しかなかった。
三層の雲に乗ってやってきたとか、浮いている島に乗ってやってきたといわれる。
彼らは昼間は寝て夜働く習慣を持ち、一夜で石垣や水路をつくったという。
ただし、その姿を人間にみられると放置してさってしまうという。

メネフネと仲がよかった巨人のプニはがさつであったが、
憎まれない性格の好人物で、オアフの敵が攻めてきたとき、
メネフネはプニに助けを求めたが、ぐっすり眠り込んだプニは起きなかった。
そこでメネフネは大きな石を投げて起こそうとしたが、
石はプニにあたって跳ね返り、オアフ軍のカヌーに命中し、逃げていった。
しかしこの石にあたったプニは死んでしまった。

またメネフネ族とハワイアンの女性の結婚が多くなり、
純粋なメネフネの血が失われていくことを嘆いたメネフネの王は
ある日メネフネを全員集合させハワイアンの妻を残して船でこの地をさった。
どこに行ったかは不明であるが、ハワイ諸島の西北にあるネッカー島やニホア島には
彼らが立ち寄った形跡を示す石の建造物が存在しているそうです。
いまではメネフネは小さな人(ピグミー族)ではなく、
小さな集団または社会的に小さな存在という意味という学説もあるそうです。


昔のハワイは厳格な階級制度で分かれ王族と一般人は結婚を許されなかった。
しかし王族の娘(ナウパカ)と村の若者が恋におちてしまい、
その運命を占ったが、結ばれてはいけないと出てしまい、
娘は二度とあえないが、ナウパカの花をみるたびに私を思いだしてほしいと言ったとか。
それ以来ナウパカの花はふたつの花弁をもち身をさかれた恋人たちの姿になった・・・。


月の女神ヒナはその娘で火の女神ケアヒにハワイ島のハライ丘を与えた。
昔ハライ丘の近隣はひどい干ばつにおそわれたが、
ケアヒは雨乞いのために蒔を燃やし自ら犠牲になり焼けた石の上に身を横たえ、
人々に土をかぶさせた。
火の女神のケアヒは死なずに地下の霊の世界に入っていき、
地震を起こし泉を沸き出させた。
ケアヒが埋もれた場所を掘り起こすとたくさんの食料が出てきて人々は飢餓から救われた。


ハワイ島のマウナケアには白いマントを着た4人の雪の女神が住んでいた。
ポリアフという美しい女神に嫉妬したペレはさまざまないやがらせをしたが、
とうとう勝てずにハワイ島の北部を征服することができず
キラウエアに帰っていき、南部のみを自分の領土とした。


上のふたつの物語はハワイマナ中野次郎著集英社より、
その他はハワイイ紀行池澤夏樹著新潮社より抜粋しました。


昔オアフのワイアナエ渓谷にハンサムなマカハという首領がいて
その漁師としての腕は島中の注目をあつめていたそうです。
やがて彼の評判がマノア渓谷に住む雨の女神ケアヌエヌエの耳に届き、
翼の生えた親友エレパイオにマカハのことを調べるよう依頼しました。
その結果ケアヌエヌエはマカハの功績を讃えて
マノアからワイアナエ渓谷まで雄大な二重の虹を
かけて創造したそうです。
無名の渓谷にかかる虹に、人々は女神ケアヌエヌエからの守護と
優しい恵みの雨に感謝して礼拝堂を築き、感謝したそうです。
でもケアヌエヌエはこの名誉を辞退し、マカハの功績を讃え、
この一体の渓谷をマカハとなづけたそうです。

また別の解釈ではマカハに恋したカアヌエヌエは
マカハが住むこの谷があまりに渇いていて
新鮮なフルーツが育たないと聞き、
雨を降らせて谷一面に花を咲かせた。
それ以来谷にはブーゲンビリアやモンキーポットなどが花を咲かせ、
野生の孔雀の声がこだまする美しい場所になった・・・ともありました。


緑の女神でペレの妹ヒイアカは友人で最初のクムフラのホーポエから
フラを習ったそうです。
フラの女神としてはタヒチからきた女神ラカがいます。
フラは古代社会の中で宗教儀式や信仰の重要な役割を担い、
フラやオリを演じることで、神と人間の関係を築き、
礼拝の儀式の際に男と女の踊りによって奉納された。
ヘイアウではマナ(男と自然の中に存在する強い力または超能力とその生命)の
強い男性だけがフラカプを礼拝や儀式でおどることを許された。
もともと男性の踊りであったフラだが、実際にはハワイ統一などの度重なる戦のために
ダンサーとなる男性が減り、女性中心のフラがひろがることになったとか・・・。